「未経験だから」と、転職エージェントに断られた経験はありませんか。
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登録しても紹介が来ない。的外れな求人ばかり勧められる。そう感じて「転職エージェントは意味ない」と思った人は少なくないはずです。
それ、使い方が悪かったわけではないかもしれません。そもそも、あなたの転職とエージェントの仕組みが噛み合っていなかった可能性があります。
私は建築施工管理の会社員です。8年目に転職して、年収を150万円上げました。転職エージェントを実際に使った経験があります。同じ業界の中で会社を変える転職だったので、エージェントの強みがそのまま活きた側でした。
この記事では、転職エージェントを使わない方がいい人の条件と、その裏にある業界の報酬構造を説明します。逆にエージェントが有利になるケースや、担当者と合わないときの対処法もまとめました。読み終える頃には、自分がどちらのタイプか判断できるはずです。
先に結論を書きます。未経験で職種を完全に変える転職は直接応募が中心、経験を活かす転職はエージェントを軸にするのが基本です。
SNSや転職系のブログを見ると「絶対エージェントを使うべき」「使わないと損」と書かれていることが多いです。でも、それは記事の書き手がエージェント経由の紹介料で収益を得ている場合が多い、という事情もあります。
この記事も転職エージェントの紹介リンクを置いています。だからこそ、都合の悪い事実も隠さずに書きます。読み終えたときに、無駄な期待をせず自分に合った動き方を選べる状態を目指します。
「エージェントを使うべきか」ではなく「自分の転職はエージェントと相性がいいのか」で考えると、答えがはっきりします。まずはそこから整理していきます。
転職エージェントが「使わない方がいい人」に当てはまるかチェック
まずは自分が当てはまるかどうか、次の3つで確認してください。1つでも当てはまれば、エージェントの使い方を見直す価値があります。
転職したい業界・職種がすでに決まっている人
応募したい企業や職種がすでに固まっているなら、エージェントの紹介を待つ必要はありません。求人サイトや企業の採用ページから直接応募したほうが早いです。
エージェントは非公開求人を持っていますが、行きたい会社がもう決まっているなら、そこは関係ありません。エージェントに相談しても、結局は「その会社に直接応募してください」と案内されることもあります。
行きたい会社が明確な人は、エージェントを通すことでむしろ選考が遅くなるケースもあります。書類が一度エージェント経由で企業に渡ると、やり取りの往復が増えるためです。
もちろん、その企業の非公開求人がエージェント経由でしか出ていない場合は例外です。まずは企業の採用ページを確認し、公開求人があれば直接応募、非公開求人しかなければエージェント経由、という順番で確認すると効率的です。
未経験で職種を完全に変えようとしている人
今の仕事とまったく違う職種に挑戦したい場合、エージェント経由では紹介されにくい傾向があります。登録しても「ご経験を活かせる求人がなかなかありません」と言われた経験がある人は多いはずです。
これはエージェントが手を抜いているわけではありません。理由は次の見出しで詳しく説明しますが、業界の報酬の仕組みそのものに原因があります。
担当者とのやり取りにストレスを感じ続けている人
エージェントとの相性が悪く、連絡が来るたびに気が重いなら、無理して付き合う理由はありません。担当変更や複数登録という選択肢があります(後ほど解説します)。
合わない担当者と無理に続けることで、転職活動そのものが嫌になってしまうのが一番もったいないパターンです。相性の問題は、あなたの評価とは関係ありません。
「担当者と合わない=自分に問題がある」と感じてしまう人もいますが、そう考える必要はありません。担当者にも得意な業界や年代があり、単純に相性が合わなかっただけということがほとんどです。
未経験の職種チェンジで直接応募が有利になる理由
「意味ない」と感じる最大の理由は、業界の報酬構造にあります。ここは正直に書きます。表面上は無料で使えるサービスでも、裏側でお金が動く仕組みを知っておくと、紹介されない理由に納得がいきます。
エージェント経由の採用は企業が年収の30〜40%を払っている
転職エージェントを使って人を採用すると、企業はエージェント会社に成功報酬を支払います。一般に、年収の30〜40%程度が相場と言われています。
年収400万円の人を採用したら、120万〜160万円がエージェントに支払われる計算です。年収600万円なら180万〜240万円です。うちが独自に測定した数字ではなく、業界で広く言われている一般的な相場感として書いています。
この金額を知ると、なぜ企業が採用に慎重になるのか、なぜエージェントが紹介先を絞るのかが見えてきます。エージェント自体は無料で使えますが、その裏では企業側が確実に費用を払っているのです。
未経験採用ほどコストが跳ね上がり紹介されにくくなる
企業からすると、未経験者を採用して一から育てるだけでもコストがかかります。研修期間中の給与、教える側の社員の時間、戦力化までの期間。これらはすべてコストです。
そこにさらに30〜40%の成功報酬が乗ると、二重にコストがかさみます。同じ求人でも、経験者を採用したほうが企業にとっては割安になりやすいのです。
だからエージェントは、未経験の職種チェンジを企業に紹介しづらいのです。紹介できたとしても、書類選考の通過率は下がりがちです。エージェントの担当者に悪気はなく、構造的にそうなりやすいというだけの話です。
直接応募は「志望度の高さ」で評価される
直接応募には成功報酬がかかりません。企業側のコストが低いので、未経験でも検討してもらえる可能性が上がります。同じスペックの応募者でも、応募経路がエージェントか直接応募かで、企業側の受け止め方は変わります。
しかも「わざわざ自分で見つけて応募した」という行動そのものが、志望度の高さとして評価されます。企業の採用ページを見て、事業内容を調べて応募したという事実は、それだけで面接での話題にもなります。
直接応募は不安に感じるかもしれませんが、やり方を知れば難しくありません。応募先企業のリストアップから面接対策まで、直接応募ならではの進め方があります。
具体的には、企業の採用ページやWantedlyのようなサービスから直接応募する方法があります。応募前にその企業の事業内容や採用背景を調べておくと、面接での説得力が変わります。志望動機も「なぜこの会社なのか」を自分の言葉で説明できるようになります。
ここまでの話に当てはまるサインとしては、「複数のエージェントに登録したのに紹介数が少ない」「面談で他業界を勧められる」「書類選考でなかなか通らない」の3つが目安になります。どれかに当てはまるなら、直接応募の比率を上げてみる価値があります。
ここまでの内容を整理すると、自分がどちらに当てはまるかで動き方が変わります。
| あなたの状況 | おすすめの動き |
|---|---|
| 経験を活かす転職 | エージェントを軸に |
| 未経験の完全チェンジ | 直接応募を中心に |
この2行のどちらに近いかで、これから先の動き方を変えていきます。次の見出しでは、逆にエージェントが強くなるケースを詳しく見ていきます。
それでも転職エージェントが有利になるケース
ここまで否定的な話をしてきましたが、転職エージェントが強い場面もあります。同じ「転職エージェント」でも、使う人の状況によって評価が正反対になるのはこの部分が理由です。
経験を活かす転職(同業・業界チェンジ)
今の職種の経験を活かして、同業種や近い業界に移る場合は事情が違います。企業はその人のスキルをすぐに評価できるので、未経験採用ほどコストを警戒しません。
経験者採用は育成コストが低く、成功報酬を払っても採算が合いやすいのです。だから経験者向けの非公開求人は、エージェント経由で回ってくることが多くなります。
私自身の転職も、施工管理という同じ職種の中で会社を変えるものでした。経験を活かす転職だったからこそ、エージェント経由の非公開求人や条件交渉がそのまま役に立ちました。
エージェントも紹介しやすく、非公開求人や年収交渉といった強みがそのまま活きます。経験を活かす転職を考えているなら、大手エージェントを軸にする価値があります(この記事の最後で紹介します)。
第二新卒・社会人経験の浅い転職
社会人経験が浅い第二新卒の転職も、エージェントが機能しやすい領域です。ポテンシャル採用の枠が多く、企業側も採用のノウハウをエージェントに頼る傾向があります。
職種を変えたい場合でも、社会人経験そのものが浅いうちは「未経験の完全な職種チェンジ」とは少し事情が異なります。企業側もポテンシャルで採る前提で求人を出しているためです。
年齢が若いほどポテンシャル採用の枠が広く、教育コストを企業側が受け入れやすい傾向があります。第二新卒向けのエージェントは、この年代に特化した求人を持っていることが多く、うまく噛み合えば紹介の精度も上がります。
第二新卒での転職を考えている人は、こちらの記事で詳しく書いています。

非公開求人や年収交渉を任せたい人
年収交渉を自分で切り出すのは、正直気が重いものです。私自身は一次面接で希望する年収のレンジだけを自分で伝え、そのあとの細かい金額のすり合わせはエージェント経由で進めました。言いにくい部分だけ任せられるのは、精神的にかなり楽でした。
「もう少し年収を上げてほしい」と自分で言うのは、内定後の関係が気まずくなりそうで言い出しにくいものです。エージェントが間に入ってくれると、感情を挟まずに条件だけをやり取りできます。
非公開求人へのアクセスや条件交渉を任せたい人にも、エージェントは向いています。求人サイトには載っていない案件を紹介してもらえるのも、実際に使ってみて感じたメリットでした。
経験を活かす転職、第二新卒、条件交渉を任せたい人。この3パターンに当てはまるなら、エージェントを使わない理由はありません。むしろ積極的に活用したほうが得です。
合わない担当者との付き合い方
エージェント自体が悪いわけではなく、担当者との相性の話であることも多いです。エージェントを使う価値があると分かっても、担当者との相性で損をするのはもったいないので、対処法を知っておきましょう。
担当変更は気まずくない
担当者と合わないと感じたら、変更を申し出て構いません。エージェント会社にとっても、合わない担当のまま進めて内定に至らないほうが困ります。遠慮する必要はありません。
申し出るときは「担当者が悪い」と伝える必要もありません。「別の視点でも求人を見てみたいので、担当を変えていただけますか」といった伝え方で十分です。多くのエージェント会社には、専用の窓口や問い合わせフォームが用意されています。
複数登録して比較するのが基本
1社だけに絞る必要はありません。複数のエージェントに登録して、紹介される求人や担当者の質を比べるのが基本の動き方です。目安として、2〜3社に登録している人が多い印象です。
同じ会社に登録しても、担当者次第で紹介される求人の質は変わります。比較する前提で使うくらいがちょうどいいです。1社だけに絞ってしまうと、その担当者の当たり外れがすべてになってしまいます。
断るときは理由を一言添えるだけでいい
紹介を断るときも、理由を一言添えれば十分です。「志望業界が違う」「今回は直接応募を優先したい」など、簡潔な理由で問題ありません。
理由を伝えたほうが、次に紹介される求人の精度も上がります。無言で断り続けると、なぜ求人が刺さっていないのかが担当者に伝わらず、同じようなズレた紹介が続いてしまいます。
結局どう使い分ければいいか
最後に、使い分けの基準をまとめます。ここまで読んで自分の状況がどちらに近いか、だいたいイメージできているはずです。
未経験の職種チェンジ→直接応募中心+エージェント併用
未経験で職種を完全に変えたいなら、直接応募をメインに動きましょう。エージェントを完全に外す必要はありませんが、紹介を待つだけの動き方は避けたほうがいいです。
直接応募と並行してエージェントに登録しておくのは悪くありません。ただし主軸はあくまで直接応募です。行きたい会社のリストを自分で作り、そこに向けて動く姿勢が大事です。
経験を活かす転職→エージェントを軸にする
今の経験を活かして年収を上げたい、非公開求人や条件交渉を任せたいという人は、エージェントを軸にするのが合理的です。この記事で説明した報酬構造も、経験を活かす転職ではむしろ企業側の採用意欲を後押しする材料になります。
大手のエージェントは求人数が多く、非公開求人の幅も広いので、経験を活かす転職の相談先としては選択肢に入れやすいです。まずは登録して、担当者に希望条件を伝えるところから始められます。
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迷ったらまず登録して市場価値を知るのもアリ
どちらか決めきれない人は、まず登録して自分の市場価値を確認するという動き方もあります。登録は無料ですし、話を聞くだけでも今の状況を客観的に見る材料になります。
今すぐ転職する気がなくても、市場価値を知っておくこと自体に意味があります。今の会社に残る判断をするときも、外の相場を知っているかどうかで納得感が変わります。
転職は年収を上げるための選択肢の1つでしかありません。今の会社に残る前提で年収を上げる方法にも興味があれば、こちらもあわせて読んでみてください。

転職エージェントは、全員に同じように機能する仕組みではありません。未経験の職種チェンジなら直接応募を軸に、経験を活かす転職ならエージェントを軸に。自分の状況に合わせて選べば、「意味ない」と感じることは減るはずです。
大事なのは、エージェントを使うかどうかを先に決めることではありません。自分の転職がどちらのタイプなのかを先に見極めることです。順番を間違えると、せっかくの転職活動が空回りしてしまいます。
この記事で紹介した報酬構造やチェックリストを、転職活動を始める前の判断材料として使ってもらえたらうれしいです。
経験を活かす転職や、市場価値を確認したい人は、非公開求人や年収交渉を任せられるエージェントを併用する価値があります。
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経験を活かして年収を上げる具体的な方法は、こちらの記事でまとめています。


